ロンドンにある世界遺産の植物園 キューガーデン

お花や植物が好きな方なら、ぜひ一度は訪れてみたいと思うキューガーデンはロンドン南西部、キューとリッチモンドの間にあります。ロンドン中心部から地下鉄で30分ほどで到着します。

 

キューガーデンは王立植物園で1759年に宮殿に併設された庭園としてスタートしました。 121ヘクタールの敷地に3万種以上の植物があり、花々にあふれたガーデンを歩いていると、温室もいくつ点在していて……1844年に作られた世界中の熱帯植物を集めた温室「パームハウス」が有名ですね。1863年オープンの「テンペレート・ハウス」は60億円をかけて改修され2018年に再オープンして話題を呼びました。他にも睡蓮の「ウォーターリリーハウス」、10の気候別に植物を配した「プリンセスオブウェールズ・コンサバトリー」など。

 

園内を歩いて、温室に入って……、と繰り返しているうちに時を忘れてつい歩きすぎますが、疲れたらティールームやレストランで休憩できます。オリジナルグッズが並ぶショップも、素敵なものであふれています。

 

世界中から多くの人が訪れるキューガーデンですが、ご近所からお散歩に来ているような方々がいたり、のんびりピクニックをしている家族連れもいたりして、とても楽しそうでした。こんな場所が近くにあるなんて、うらやましいですね。

 

私にとってキューガーデンは、素敵な植物園、公園ですが、植物研究施設であり、世界で最も有名な植物園として膨大な資料を有しています。園内の建物4棟はイギリスの1級指定建造物であり、2003年には世界遺産に認定されています。

 

植民地時代にはさまざまな資源植物(人間の生活に役立つ植物)をキューガーデンに集めて、品種改良が盛んに行われたそうです。例えば、中国のチャノキを改良して、インドのダージリンやスリランカに移植したと知り、驚きました。遠い昔の研究が、私たちがいただくおいしい紅茶に関係しているのですね。

 

ちょうど今、東京都庭園美術館では「キューガーデン 英国王室が愛した花々 シャーロット王妃とボタニカルアート」と題した展覧会を開催中です。会期は1128()までです。

 

まだイギリスに旅行は難しいですが、こちらでキューガーデンを楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/210918-1128_TheRoyalBotanicGardensKew.html